Introduction.そもそも敏感肌とはどのようなもの?

Supervision
納先生
【監修医】おさめスキンクリニック 納さつき 先生
納先生

【日本皮膚科学会認定皮膚科専門医 医学博士】
所属学会:日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、日本肥満学会、など

トラブルのない健康なお肌を保つため、診察・カウンセリングを重視し、クリニックへ訪れる患者さん1人ひとりに寄り添う治療を提供するおさめスキンクリニック。その院長である納さつき先生は、肌荒れやニキビ、アレルギー、アトピー、乾癬などの悩みに対し、皮膚科専門医としての豊富な知識を、患者さん1人だけでなく家族全員が笑顔になれる医療を提供している。

そもそも敏感肌とは、何らかの原因で、お肌が弱っていて刺激を感じやすい状態のことをいいます。
医学的に明確な定義はありませんが、主に次のような症状が起こりやすい状態のことを指すことが多いです。

肌がひりひり、ピリピリする/肌がムズムズする/湿疹、かぶれ、赤みが生じる/吹き出物ができやすい/肌荒れしやすい

これらの症状は、化粧品を変えた時、スキンケアによる摩擦、季節の変わり目、体調などによっても、起こりやすくなります。さらに敏感肌には種類があり、大きく次の4つのタイプに分かれます。

  • 乾燥性敏感肌…一年中カサつきを感じる、かゆみやガサガサに悩まされている
  • 脂性敏感肌…赤みやテカリ、ニキビができやすい
  • ニキビ肌…おでこやあご、耳の近くにニキビができやすい。それ以外はどちらかというと乾燥ぎみ
  • アレルギー性敏感肌…ほこりや花粉などによって、ピリピリと刺激を感じる

敏感肌になってしまう原因を考える

今現在、女性の7割が敏感肌に悩んでいるといわれます。
そもそもどうして敏感肌になってしまうのでしょう? 直接的な原因は内的要因と外的要因に分けて考えられます。

内的要因 外的要因
生活環境の変化に伴う心理的疲労・睡眠不足・栄養の偏り・暴飲暴食・生理・妊娠・更年期障害・ストレス・皮膚の乾燥を引き起こす疾患など 紫外線・化粧品などの外用剤・温度や湿度の変化・汗・ほこり・ダニ・金属・衣服など

これ以外には、紫外線、肌に合わない化粧品、ほこり、汗、冬場の乾燥といった外的要因も、敏感肌を引き起こします。これらは現代社会で暮らす上で常に付きまとってくるもの。その刺激に耐えられず、肌荒れが起ってしまう状態こそが敏感肌です。

ですが本来なら皮膚には外的な刺激から肌を守るバリア機能が備わっています。何らかの影響でバリア機能が低下することで、敏感肌の状態は引き起されます。生まれつきの肌質の場合もありますが、ストレスや食生活などの生活環境による影響、ホルモンバランスの変化によってもバリア機能は低下し、刺激を受けやすくなります。

お肌の健康を守ってくれているのは、角質層のバリア機能

ひとことで「皮膚(表皮)」といわれている私たちのお肌ですが、大きくわけて4つの層に分かれているのをご存知でしょうか。表面に近い部分から「角質層」「顆粒層」「有棘層」「基底層」と名前が付けられています。いわゆるお肌の美しさや健康に大きくかかわっているのが、最も表面の部分にある角質層。その厚みはわずか0.02mm、ラップ1枚と同じくらいのごく薄いものです。

その薄さにもかかわらず、役割は非常に重要。お肌の表面を覆う「皮脂」と共に、外的な刺激から肌の内側を守る「バリア機能」を担っています。角質層を構成する皮膚細胞や細胞間脂質(いわゆるセラミドなど)にしっかりと水分を蓄えることで、このバリア機能は強くなり、しっかりとお肌を守ってくれるのです。

ですが角質層のバリア機能は、水分がしっかりと蓄えられていなければ機能が弱まります。バリア機能が低下したところに刺激をうけることで、角質層の健康的な生まれ変わりのサイクル、つまりターンオーバーが乱れ、さらなるバリア機能の低下を招くという悪循環に陥るのです。乾燥肌と敏感肌の強い相互関係がわかりますね。
また、セラミドに代表される細胞間脂質は加齢とともに低下していきます。20代の頃は肌が丈夫だったのに…と感じている方は、このあたりにも原因があるかもしれません。

敏感肌に最適なスキンケアは角質層を健やかにすること

乾燥性、脂性、アレルギーと、どの肌タイプにおいても、角質層のバリア機能を維持するためには「水分を届けること」が必須です。同じ肌荒れ症状として、より重度であるアトピーにおいても保湿が重要であるように、肌が敏感なときは必ずといっていいほど、肌内部が乾燥しています。理想は角質層までしっかりと水分が届き、そこに留まっている状態です。

勘違いしないでいただきたいのですが、セラミドが入っている化粧水を使用したとしても、そのまま角質層に変わってくれるわけではないということ。あくまで表面を保湿する役割として配合されているものです。必ずしもセラミドが配合されている化粧水を選ばなければいけないわけではありません。もちろん、お肌に優しい保湿成分として優秀ですので、乳液などで取り入れるとより効果が期待できますよ。

また、すでに肌が炎症を起こしている場合は、バリア機能が激しく低下している状態ともいえます。まずは炎症を抑えて、しっかり内部から潤すスキンケアを続けていきましょう。そうすることで、低下したバリア機能が回復し、健康的な美肌へと導いてくれます。