敏感肌にはパラベン配合の化粧水は危険?

化粧水をはじめ各種化粧品の防腐剤に使用されることが多いパラベン。しかし、パラベン配合の化粧品は「敏感肌の人が使うには危険」という声もたびたび耳にします。パラベンを使っても本当に問題ないのか、安全性について調べてみました。

安全性の高い防腐剤として重宝される成分

パラベンは、微生物の増殖を防ぐ効果があるため、化粧水など化粧品の品質を保つために配合される成分。化粧品の使用中に空気中や指についている雑菌が化粧品の容器に入ったときに、雑菌の増殖を防ぐ働きがあります。人体への毒性が低いことから、80年以上前から、日本をはじめ多くの国や地域で化粧品や医薬品、食品の品質を保つ安全性の高い防腐剤として重宝されてきました。

パラベンの種類とそれぞれの特徴

パラベンは、正式には「パラオキシ安息香酸エステル」といい、さまざまな種類があります。これらを総称して「パラベン類」といい、化粧水など化粧品でよく使われるものを4種類ご紹介します。

メチルパラベン

広範囲の微生物に殺菌力を持つ防腐剤。日本で使用される化粧品のパラベン類の中で、最もお肌への刺激や過敏性が少ない成分です。皮膚刺激性やアレルギーなどが起きる可能性は限りなく低く、これまでに重大なアレルギーの報告も入っていません。そのため、安全性の高い成分といえます。

エチルパラベン

広範囲の微生物に殺菌力を持つ無色または白色の結晶粉末かつ、油溶性の防腐剤。パラベン類で最も安全性が高いとされるメチルパラベンにも抗菌しづらい菌があります。メチルパラベンだけでは抗菌できない菌があるときにエチルパラベンはセットで化粧品に配合されます。皮膚刺激性やアレルギー反応が起こる可能性が低いので安全性の高い成分とされています。

プロピルパラベン

広範囲の微生物に殺菌力を持つ無色または白色の結晶粉末かつ、油溶性の防腐剤。メチルパラベンだけで抗菌できない菌があるときに、殺菌効果を高める目的で化粧品に一緒に配合されます。特に水溶性の化粧品などでメチルパラベンが使われるときにプロピルパラベンを併用される機会が多いです。安全性の高い成分ですが、メチルパラベン、エチルパラベンよりも殺菌力が高いので肌への刺激は必ずしもゼロとはいえません。

ブチルパラベン

広範囲の微生物に殺菌力を持つ無色または白色の結晶粉末の防腐剤。メチルパラベンが苦手な菌を抗菌するときに化粧品に一緒に配合されます。しかし、今回紹介した4つのパラベン類の中で最も殺菌力が高く、お肌に与える刺激が強いため、化粧品の防腐剤にプチルパラベンを使わないケースが増えています。基本的に安全性に問題はありませんが、刺激強いので皮膚にダメージのある方はごく稀にアレルギー反応を起こす可能性があります。

少ない配合量でもしっかりと効果を発揮してくれる

化粧品に含まれる成分の配合量は、厚生労働省が薬事法に基づいて考えた「化粧品基準」で上限が決まっています。パラベンの配合率上限は、この基準によると1%(100gに対して1.0g)。しかし、パラベンを配合する市販の化粧品はほとんど0.1~0.5%と配合率上限を大きく下回っています

ほんのわずかな配合量で、しっかりと化粧品の品質を保持してくれる点がパラベンのメリット。パラベンが防腐剤として優れた効果を発揮するため、お肌への刺激が強い防腐剤を化粧品に配合する必要はありません。

パラベン配合のデメリットってどんなもの?

肌にダメージを受けていたり、高濃度のパラベン溶液を直接お肌に塗ったりするとわずかな刺激を感じるという報告は少なからずあります。しかし、濃度を薄くしたパラベン溶液を何度もお肌に塗る実験を試した結果、刺激をほとんど感じなかったという報告が上がっています。

また、海外、国内とさまざまな研究機関がパラベンの安全性を試す実験を繰り返し行った結果、パラベンの毒性は極めて低いと結論づけています。そのため、パラベン配合の化粧水を使うことで感じるお肌への刺激は、必ずしも科学的根拠に基づいたものとはいえません。

パラベンとの上手な付き合い方

パラベン配合の化粧水が肌に悪いといわれるようになった理由は、1980年に旧厚生省(厚生労働省)が定めた103種類の「表示指定成分」(※)の中にパラベンが含まれたからです。体質によりアレルギーなど肌トラブルを起こす恐れのある成分を化粧品のパッケージに記載することを義務付けたものです。

そのため、パラベンは「敏感肌に危険な成分」という悪い印象が植え付けられてしまいました。代わりに化粧品メーカーは、パラベン未使用で化粧品の品質を保持するパラベンフリーの化粧品を出すようになりました。

しかし、パラベンフリーの化粧品は単にパラベンが配合されていないだけで、防腐剤がゼロというわけではありません。かえってパラベンよりお肌への刺激が強い防腐剤が含まれている場合もあります

パラベンはお肌に刺激が与えることもありますが、毒性は極めて少ない成分。化粧品に含まれる分量もほんのわずかで、防腐剤として優れた効果を発揮するので極端に嫌う必要はありません。気になるならば、できる範囲で避けるようにする。そういった付き合い方が重要です。

※2001年に表示指定成分は廃止され、今では全成分表示となりました